インドのメディアと娯楽分野は黄金期を迎えようとしている。世界最大の娯楽市場のひとつであるインドの娯楽産業は強い成長力を持ち、2015年までに2億ドルを稼ぎ出すであろう。プライスウォーターハウス・クーパーズ社(PwC)の第8回調査レポート「世界のエンターテイメントとメディアの展望」によると、インドは今後5年間のエンターテイメントとメディアの消費において、世界で最も成長力のある市場として位置づけられている。インドは、2011年までに世界の娯楽とメディア産業を2兆ドルの規模に押し上げる強い推進力となるだろう。インドの娯楽とメディア産業は、年間複利成長率が18.5%でアジア太平洋地区において最も成長が速いと予測している。
プライスウォーターハウス・クーパーズの別の調査レポートでは、インドのメディアと娯楽分野の収入は2006年に20%の成長率で97億1,000万ドルに達し、インドの広告支出総額は23%の成長率で36億2,000万ドルに達したとみている。
国際的な大手メディア企業はメディアとエンターテイメント分野への出資で競合している。8,800万ドルの外国直接投資(FDI)はこの部門に集中し、2006年には、13件のFDIの申し込みが政府によって承認された。
同業界の成長は、映画産業の民営化、テレビ・ラジオ部門の急成長、印刷製品及びその他の技術革新で生じた製品市場の伸びなどの多くの要素によって牽引されている。インドは、エンターテイメントとメディア産業が世界中で経験している変化を受入れ成長するであろう。
映画
インドの映画産業は年間1,041もの映画を生産しており、世界最大級である。現在では18億ドルの規模で、今後5年間に年間複利成長率16%で成長し2011年には38億ドルに達する見込みである。
インドの映画市場の40%を支配するヒンディ語の映画産業、ボリウッドは世界中で観客を動員している。各地方言語による映画も影響力を広めている。いくつかの要素が重なり変化が生じている。ひとつ確実に言えることは、DVDやインターネットのような新技術では、視聴者が特別な地域に限られるわけではないことだ。インドは500万人以上のホームビデオやDVDの購買者があり、2006年のPwCの調査レポートによると、現時点の市場浸透度が31%増となることが期待されている。
インドでは複合型映画館の急増によって、映画の製作の予算や製作方法、それに対象となる観客などインド映画全体の様相に変化が生じている。
映画産業の民営化によって、新たに収入につがなる道も見つけられるようになった。インド国内の言語に吹き替えられた海外映画が広く紹介され、吹き替え産業は過去5年間で25-30%の成長を遂げた。今では海外の映画は幅広い観客層に受け入れられている。この一連の動きが波及効果を及ぼし、映画の販売促進と音楽の販売増につながっている。ヒンディ語吹き替えの「スパイダーマン2」の宣伝が功を奏し、インド公開第一週で200万ドル超の売り上げとなった。ハリウッド映画の売上高としては過去最高である。
アニメーション及び特殊効果(VFX)の分野もインドでの成長を期待されている。全国ソフトウェアサービス企業協会(NASSCOM)によれば、アニメーション産業は25%の年間複利成長率で伸びており、2010年までに8億6,900万ドルに達する見込みである。この成長は、主にインドの創造的技術、コスト面での利点、成長する国内市場及びアニメーション制作技術の向上によるものである。好機到来の最初の予兆は、ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス社によるフレームフロー・インディア(Flameflow India)への500万ドルの投資である。フレームフロー・インディアは、チェンナイを拠点とするアニメーションと特殊効果のバックオフィス業務を行う会社である。