インド国鉄の鉄道網は世界で4番目に大きく、たった一つの組織が管理する鉄道網としては世界で2番目に大きい。また、貨物輸送手段としては世界で4番目に大きく、一日の貨物輸送量は149万トンである。インド国鉄は、GDPの約2.3%を占める利益を計上すると同時に150万人の労働者を直接雇用していることから、150年以上にわたってインドの産業及び経済発展に貢献している存在であるといってよいだろう
インド国鉄の特長は、総距離109,221 km以上にわたる広範な鉄道網を有すること、約6,947に及ぶ駅を網羅していること、そして1,770万人という乗客数の多さである。
インド国鉄の業績
インド国鉄は、その規模と重要性を考慮すると、極めて優秀な業績を継続的に上げているといってよい。2006-07年度の総収益は前年度の132億5,000万ドルに対して14%増の151億9,000万ドルを記録した。旅客輸送による収益は41億9,000万ドル(前年比13.8%増)、貨物輸送による利益は101億6,000万ドル(同15%増)であった。2006-07年の総貨物輸送量は7億2,841万トンと、6億6,651万トン だった 2005-06年度から増加した。
2006-07年度の業績が好調だった理由としては、配当金支払い前の余剰現金として49億ドル(2005-06年度の35億8,000万ドルから37%増)を計上したことが大きい。また、2006-07年度の配当金支払いも10億3,000万ドルと、2005-06年度の8億9,334万ドルを上回る結果となった。
同時に、2006-07年度の稼働率が78.68%と2005-06年度の83.72%から改善したため、稼働率80%以下でなければ入会が許されないという、世界的な鉄道会社クラブの会員になることができた
民間セクター
旅客輸送及び貨物輸送の需要増加を背景に、鉄道の処理能力の拡大と今ある処理能力の維持(及び合理化)の双方に新規投資が必要とされている。今後5年間に鉄道システムの整備に必要な投資金額は560億ドルと推定され、インド政府は民間セクターのスポンサー開拓に余念がない。借り入れや官民パートナーシップを通じて、少なくとも150億ドルを調達できるとみられている。
インド政府は既に、民間セクターが投資できる行政プロジェクトの分野を拡大している。例えば、貨物専用道路建設プロジェクト、鉄道駅の近代化工事、機関車・普通客車など鉄道用設備を生産する工場、高速旅客輸送道路、コンテナ輸送サービスなどである。
また、インド国鉄は民間セクターと連携して倉庫、ロジスティクス・パーク、低料金の宿泊施設の建設や新しいインフラ設備の提案を行うことを検討している。
さらに、官民パートナーシップ(PPP)の主導の下、インド国鉄ケータリング・ツーリズム会社(IRCTC)を設立した。これは、各地でホスピタリティ・ツーリズムやケータリングに関するサービスを提供する組織で、既に20のホテルで営業許可を取得済みである。
民間セクターは、鉄道事業への関与を積極的に進めている。例えば、民営鉄道コンテナ事業をめぐる第1次入札には14社もの民間企業(リライアンス・インフラストラクチャー・エンジニアリング、アダニ・ロジスティックス、ボックストランス・ロジスティックス・レールロード・サービス、 IL&FS社、 ピパバブ・レール(Pipavav Rail)社など)が名乗りをあげ、インド国鉄は最終的に1億3,151万ドルで応札した。目下のところ、第2次入札では3億6,531億ドルで応札すると見込んでいる。
実際に、鉄道コンテナ運営事業は今後2年間にわたって約24億3,000万ドルの投資を受けられる可能性が高い。なぜなら、この事業には貨車、ロジスティクス・パーク、内陸コンテナ倉庫(ICD)向けの投資が流れてくるからである。
また、鉄道コンテナ運営事業が投資を得る手段は他にもある。例えば、推定投資総額730億ドルが投じられたインド東部及び西部での貨物専用道路建設プロジェクト、チャプラ(ビハール州)での車輪工場の新設、マローラ(ウッタランチャル州)のディーゼル機関車工場、マデープラー(ビハール州)の電気機関車工場、ラエバレリ(ウッタル・プラデッシュ州)の普通客車工場(以上の全ての投資額を合算すると9億7,418万ドル)などに対しては特に、膨大な数の民間企業が関心を示している。