世界各国の製造業者がインドに次々と拠点を構えている。マッキンゼー・リサーチによれば、製造業としての長年の歴史と高度な教育システムを背景に、そこには製造工程や製品から金融工学に至るまでの必要なスキルが全て備わっている。
| 経済白書 2006-07: |
| 工業分野の高い成長率は製造業部門で続く力強い成長率に支えられている。2006-07年度の初めの9ヶ月で10.6%(前年同期比)という工業成長率は1985-86年度以来の高い数字であり、製造部門の成長率は2桁となった。年率10%の成長率を目指す第11次計画(2007年12月終了)の目標は達成されそうだ。 |
ボストン・コンサルティング・グループの調査では、インドの膨大な国内市場と、高度なスキルを持つ比較的低賃金の労働力を考えれば、5年から10年の間にインドは製造業大国になるだろう。インドに進出する多国籍企業の数は増加の一途を辿っている。電子機器や電気製品ではABB、ハネウェル、シーメンス、自動車部品と自動車ではカミンズ(Cummins)社、ダイムラー・クライスラー、トヨタ、特殊化学製品ではデグサ(Degussa)社、ローム・アンド・ハース(Rohm and Hass)社といった顔ぶれだ。これらの企業は全て高度な技術的専門知識を必要とする技術集約産業に属している。そして、この分野ではインドがいずれ主な調達先となり、又、製造基地にもなると思われる。
製造業生産高
2006-07年度の製造業は12.5%という高い成長率を示した。この4月は前年同期比で15.1%の伸びで新会計年度(2007-08年度)に入っても好調さを維持している。
鉱工業生産指数は13.6%と過去11年間で最高の伸びを記録したが、実を言えば、それには製造業の成長率がかなり寄与している。
製造業は業種別に17に区分(2桁コード表示)されているが、そのうち16もの業種で、今年の4月には前年同期比で高い成長率を示した。
「木材及び木工品;家具・什器」業種の92.2%を筆頭に、「食品」業種の55%、「輸送設備を除く機械設備」業種の19.2%と続いた。
インドの工業生産高は産業全体の4分の1を占めるが、個人の収入と貯蓄が増える中で、その成長に拍車がかかっている。実際、インドの個人消費は2025年には今の4倍になるはずだ。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの報告書では、インドの消費市場は平均年率7.3%で成長を続け、2025年には、1兆5,000億ドルの規模になると予想している。その結果、インドの消費市場は今の世界12位から、ドイツを抜いて、米国、日本、中国、英国に次いで5位に躍り出るはずだ。
右肩上がりの需要をうまく取り込もうとして、外国企業のインドへの投資は増え続けている。ITと通信分野を例にとれば、世界の主な携帯市場で最も成長著しいインド市場(インド政府資料)に世界最大の携帯電話事業者であるボーダフォン・グループなどがこれまで199億2,000万ドルに上る投資を行ってきた。
ハイデラバードに本社を置くシグナス・ビジネス・コンサルティング・アンド・リサーチ(Cygnus Business Consulting & Research)社の調べでは、製造業部門の業種別に見た成長率トップ5は、セメント、鉄鋼、薬品、宝飾品、エンジニアリングの順となっている。